人情:地域の温かさを感じた、そんな話。
文京区のつつじ祭りに行くために、根津神社に行った時に起きた、温かい話。
この写真の前で、待ち人をしていると、すごい大きな声で
「やだ~~~~~~~~~」
と大泣きしている女の子の声。
見てみると、大粒の涙を流して泣いている女の子と、その子と一緒に何とかつつじ祭りに来たと思われる両親の姿。
話を聞くと、風船がほしかったようで(どこかで見たんでしょうね)、
風船が欲しい、欲しい と訴えていたようです。
抱っこも嫌、食べ物もだめ、何も受け付けず、泣きじゃくっていました。
両親も距離を置いて、「○○ちゃん、行くよ」と言ってもダメ。
とにかく風船が良かったようです。
周りの人もみんな見てしまう、振り返ってしまう位の大泣き状態。。
そこにつつじ祭りの帰り道がてら、お婆ちゃんが女の子に声をかけます。
「なに、何で泣いているの?風船が欲しいの?
風船はココに無いよ。泣いても無いものは無い」
お婆ちゃんが、女の子の目線まで腰を落として話を続けます。
「けどね、お婆ちゃんこれ持っているから、これを持っていきなさい。」
と、持っている紙袋から、布製で手作り風のフクロウの人形が出てきました。
「ね、これを持ったらもう泣かない。フクロウさんも泣き止んでほしいって思っているよ。じゃ、これあげたらもう泣かない。」
すると、ピタッと泣き止みます。
私も思っていましたが、周りにいた若者も、女の子の泣き止みっぷりに「すげっ」と声を上げる見事な語りかけ。
すると、「じゃあね」とその場を立ち去ります。
困り果てていた両親も「ホッ」としたのか、少しの時間止まっていました。
あ、そうだ。と御礼をお婆ちゃんに言おうとしても、お婆ちゃんは既に先に歩いてしまっていました。
お父さんは、見えないお婆ちゃんに御礼をしたのと共に、両親で助かったね、という心の声が聞こえてきそうな感じで目を合わせて居ました。
その後、そのフクロウの人形を大切そうに持った女の子を肩車してあげたお父さん。
とっても幸せそうにつつじ祭りの列に消えていきました。
本当に、その時のお婆ちゃんの優しさの瞬間(今思い出しただけでもウルってくる)、地域でコミュニティという名で、求められている本質を見た気がしました。