田邊健史の「義人感謙」

2017年から作成。個人の動き、書き留めたいことをこちらでツラツラいきます。義人感謙とは、私が、大切にしたい「義理」「人情」「感謝」「謙虚」の頭文字を取った造語です。

チャレンジ!!オープンガバナンス から考える連携

「○○のせいで上手くいかない」と言うだけで、何もしないのではなく
個人・組織が時代の変化を見据えたチャレンジを実践できる環境の土台づくり

というのが、この取り組みの本質ではないかと感じた。

 

昨年から始まったという、
「チャレンジ!!オープンガバナンス」取り組み。

park.itc.u-tokyo.ac.jp

昨年度の開催中にも、取り組み自体を知ってはいたものの
自らが取り組んでいるイメージがわかずにいました。
一度自分で見てみないと実態が分からないと思っていたのと、
昨年に受賞した事例を聞きながら説明を聞けるというので参加。

6月10日(土)に開催された、昨年度受賞4自治体(団体)の発表と審査員のセッションとコーディネータによる事例紹介。f:id:tanabekenji:20170611091245j:plain
当日の次第(開場撮影がNGだったので資料にて)。

運営コーディネーターの奥村 裕一(ひろかず、東京大学公共政策大学院客員教授)からの超フランクな挨拶から始まる、学会ではなく、ワークショップほどの緩さでもない、真面目にクダけた運営。

チャレンジ!!オープンガバナンス(COG)のポイントとして、説明資料をもとに整理すると下記のとおり。

1.スローガン 市民も変わる、行政も変わる オープンガバナンス!!

  • 市民も変わる:地域の課題の解決に自分の問題として取り組む市民が増える
  • 学生も変わる:市民参加型社会を担う未来の市民に自らを磨く学生が増える
  • 行政も変わる:知識と経験を活かして市民参加型社会のプラットフォームとなる

2.デザイン思考=使っていいね思考

  • Thick Data:人間の行動の「なぜ」を知るデータ 人の行動観察
  • Thin Data  :人間に限らず事実を知るデータ 統計やBig Dataなどから知る事実
  • アイディアを考案:妄想でも夢物語でもよい、なりたい姿を想像し続ける

3.アイディア実現に向けての課題

  • 実施体制 柔らかな市民グループのまとまりに必要なこと
  • 資金的基礎 実現段階で避けては通れない基盤
  • アイディア磨き 「使っていいね」をさらによくする不断の努力
  • 制度の克服 ど真ん中のアイディアだけでなく周辺にも潜む
  • 上記を総合した持続的展開

そんな前置きを踏まえて、4つの事例を聞いた。

1.東京都中野区「チャレンジ中野!Grow Happy Family & Community」

 里親を活用した地域子育て支援システム。ファミリサポートから里親までのつながりのある制度を整え、地域で子育ての支援者を増やしていこうと活動していくもの。

任意団体チャレンジ中野!Grow Happy Family and Community(団体ID:1995943659)/団体情報 | CANPAN

上記の団体情報のリンク内に、応募書類のpdfが付いていたので詳細はそちらをご覧いただければ分かります。

発表者の方(市民)のコメントで印象に残ったこと。

・データって、自分の思いもよらないことに思いを寄せる事が出来る。

・妄想って大切。

・行政の人とスタンスの違いを理解する。

・助けて―!はマネジメントと考える。

行政担当者の方の補足と称して、行政関係で参加されている方に向けたアドバイス

・職員の業務負担感は無い

・既にある行政情報へのアクセスをコーディネートしただけ

・行政は地域の課題解決に向けたプラットフォーム(を支える立場)になれる

 

使用したデータ

 

2.神奈川県川崎市宮前区「みやまえ子育て応援だん」

元々、2015年に開催されていた「ピープルデザイン未来塾」で、自分の困りごと→身近な地域でどうやって解決していくか という志向性を身に付けた修了生グループ「みやまえ子育て応援だん」。

www.townnews.co.jp
※開催の様子、報告ページが見つからないので、説明会案内のページ。

市民による市民・行政・企業の三方ハッピープロジェクトとして、定量データだけでは得られない、ママの口コミや、既に取り組んでいる子育て支援情報の可視化に取り組んでいる事例。

使用したデータ

3.新潟県新潟市「Code for Niigata + 新潟大学・大串ゼミ」

テーマは「都市の魅力発信」。
「もっと知りたい地域のこと~協働で進める地域の情報発信のあり方~」として新潟市新潟大学の大串ゼミ、Code for Niigataの協働で行われた。
取り組み内容については、Code for Niigataのページ内で詳細が記載されています。

| Code for Niigata | チャレンジ!!オープンガバナンス2016

この取り組みを通じて、2つのウェブアプリが出来たそうです。

  1. 相関をみる | Code for Niigata | チャレンジ!!オープンガバナンス2016

  2. 引っ越しメーター | Code for Niigata | チャレンジ!!オープンガバナンス2016

説明までもなく、タイトルが説明そのものですから、是非ご覧あれ。

新潟市の方から、運営自体に提起する発表もあり、

COGは、テーマ別コミュニティ型(市民・行政の改善の意志が有る状態)を目指そうとしているが、実際は市民参加型のコミュニティ(既存であったような行政関与が高まることによる成果が見えやすい着地を目指すもの)になってしまわないか?

この点、個人的には激しく同意でして、正解の見えない(ゴールが分かりにくい)点に行政関係者をどうやって巻き込むのか。
正直、思いある担当者のガッツと熱意に頼らない方法もないと、担当替わった瞬間ひっくり返る経験をしている人からすると。。。

だからこそ、COGのスローガンにある「市民も変わる、行政も変わる オープンガバナンス!!」をそれぞれが意識し続ける必要があるのでしょうね。

  • 市民も変わる:地域の課題の解決に自分の問題として取り組む市民が増える
  • 学生も変わる:市民参加型社会を担う未来の市民に自らを磨く学生が増える
  • 行政も変わる:知識と経験を活かして市民参加型社会のプラットフォームとなる
4.北海道大谷室蘭高校「U-18 おもてなし室蘭

高校生からの提案もありました。

学校法人 望洋大谷学園 北海道大谷室蘭高等学校

北海道室蘭市の高校。進路学習指導に25年近く携わる先生が、「地域の役に立つ人間教育」を求めている中、大学入試に求められる変化も感じつつCOGに

  • 外部からの情報の導入
  • 対話する力
  • 自主的に学び続ける力
  • 発表の場から成長

の可能性を感じて参加したとのこと。実際には、COGを聞いて、公募に興味を持った主体的なメンバーで、客船のリサーチ、市役所訪問、アイディアの検討、プランシートの作成、プレゼンテーションの準備を行ったとのこと。

今回の取り組みの経験から、今年度は、新たに「室蘭学」を導入して、宇宙・写真・市民活動・市外 から室蘭がどう見えるかを講師を招いて実施。

個人的には、こんな熱心な(ある意味、金八先生のような)先生に出会えていたら、とノスタルジック。。

という4つの事例を聞いた後のセッションでは、
4つの事例の関係者と、審査員の方も交えて自由討議。

・データを通じて、地域を見直すことで、無いものねだりをするのではなく、今ある資源を見た時に「地元で解決できるのではないか」と発見について意識することが求められているのではないか。

・妄想、夢物語を描くことは、ある意味の“おせっかい”。子育てをしていると自分の子どもはもちろんのこと、子どもを取り巻く周りの幸せも願うもの。

・行政職員は、市民から感謝される経験が本当にない。この取り組みは行政職員が市民から感謝される機会としても効果的

・地域課題を指摘するだけではなく、自分事に出来る。行政・市民の立場を越えた意見交換が出来るかの実践の場。

・自治体からの課題提起、と待つだけではなく、市民側も目指したい妄想、夢が有ったら自治体に伝えて一緒に解決に向けて取り組む、というスタイルも目指したい。

 

2017年の詳細はこち

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park.itc.u-tokyo.ac.jp